2012年4月30日月曜日

「尾道市立図書館の高橋勝次郎」を読んで

よねい・かついちろう氏の「尾道市立図書館の高橋勝次郎:メモとして」(『戦前期「外地」で活動した図書館員に関する総合的研究』所収)を読んでの感想。

(1) 高橋勝次郎の鼻息の荒さに驚いた。
「鼻息が荒い」とは感覚的な言い方だが、ここでは、自らの仕事に対して意識的で、思想的あるいは技術的に「あるべき論」を持ち、それを啓蒙的に、状況によっては党派的に周りにも及ぼそうとしている、そのあり方が強い感じをそう言っている。
こういった図書館員は『市民の図書館』あたり以降に登場したものと思い込んでいたが、そうではなく図書館員というのは戦前からそうだったらしい。
ついでにいえば「図書館雑誌」がそのころからあって、やはりそういった図書館員が寄稿していたらしいということも、今回初めて知った。

(2) NDCも「運動」などの結果としてある時期から採用されたものということが意外だった。
NDCというのは純粋に技術的なもので、「思想」とか「運動」とかとは関係ないものと思い込んでいたが、実はそうではなかったらしい。
それを使うのを当たり前のように思っていたが、別の選択肢もあり得たかもしれないということ、またいまごく小さな運動にしかすぎないものが将来の図書館であたりまえのようになっていることがあるかもしれない、ということを思った。

(3) 戦後の高橋勝次郎がいつどこでどのように死んだか不明で、行方知らずなのが悲しい。



変更履歴
2012年5月8日:字句を一部追加
2012年6月8日:字句を一部追加・変更・削除
2012年6月14日:字句を一部変更
2012年12月19日:字句を一部変更